銀行借り入れ~個人向けで便利なのはカードローン

テレビのCMやインターネット広告など最近特に頻繁に見かけるカードローン。急な出費が必要な時などに利用される方が多いと思います。

また、住宅を購入される際に銀行の住宅ローンを利用される方も多いと思います。今回はそんな個人の借り入れについて解説していきたいと思います。

個人の銀行借り入れには目的別ローンと多目的ローンがある

個人の借り入れには様々な商品が用意されています。大きく二つに分けると目的別ローンと多目的ローンの二種類があります。まずはこの二種類について解説していきたいと思います。

1、目的別ローン

目的別カードローンとは、名称から明らかな様に資金使途が目的別に限定されているローンです。具体的には以下の様なローンがあります。

(1)住宅ローン

多くの人にとって住宅の購入が人生の最大の買い物となるでしょう。数千万円かかる事普通ですが、これを一括で現金で購入出来る人は少ないでしょう。もし、現金で購入しなければいけないとなると、ほとんどの人が購入出来るのが定年間際になっています。そんな時に活用するのが住宅ローンです。

住宅ローンはその資金使途が住宅の購入に限定されています。また、購入した住宅が担保になるため非常に低い金利で借り入れが行えるのも特徴です。ただし、借り入れ金額自体が高額になるため、審査は厳しく審査の際の必要書類も多いです。

(2)教育ローン

高校や大学への進学など、子供の成長と共に必要なお金はどんどん多くなってきます。教育ローンとは、子供の高校・大学などの進学資金を使途目的としたローンです。ただし、学生を対象としたもの以外でも社会人の為のローンもあり、資金使途が海外留学や各種学校の教育資金のものもあります。

教育ローンには公的な「国の教育ローン」と銀行などが行う「民間の教育ローン」があります。「国の教育ローン」は日本政策金融公庫が行っており、「教育一般貸付」の融資限度額は350万円(海外留学は450万円)です。金利は固定金利で銀行などか行う「民間の教育ローン」と比べて金利が安いのが特徴です。また、この制度を利用するには、連帯保証人が1人以上若しくは教育資金融資保証基金の保証が必要です。教育資金融資保証基金の保証の場合には、別途保証料が発生します。しかしながら、「国の教育ローン」には所得制限があります。

それに対して銀行などが行う「民間の教育ローン」は、所得制限はありませんので、所得制限にひっかかった人はこちらを検討する必要があります。「民間の教育ローン」は、無担保のものと有担保のものがあり、それにより金利が異なります。

また、固定金利ではなく、変動金利のものも存在します。更には、受験シーズンになると銀行がこぞって金利優遇キャンペーンを行います。また、「民間の教育ローン」の審査には保護者の返済能力が重要になってきますが、借り入れ可能金額が高く、融資までの時間が比較的短いのが特徴です。

 

(3)自動車ローン

人生における大きな買い物の代表が車の購入ではないでしょうか。車の価格は100万円以上するものも多く、まとまった資金が必要であり、現金で一括で購入するのはなかなか難しいと思います。そこで、利用するのが自動車ローンです。

今までは、車を購入した自動車販売会社を通じて自動車ローンに申し込むのが一般的でした。しかし、今は銀行から直接自動車ローンを申し込むという選択肢もあります。

 

(4) ブライダルローン

人生の一大イベントである結婚式。そんな結婚式にお金をかけたいという方はたくさんいるのではないでしょうか。しかしながら、婚約の際には婚約指輪の購入があり、結婚する事によって新居を借り、そこで発生する敷金・礼金や引っ越し費用。他にもお金がかかる事がたくさんあります。この様な費用を用意するのは難しいのではないでしょうか。

そんな時に役に立つのがブライダローンです。ブライダルローンの資金使途は結婚費用に限定されています。しかしながら、この結婚費用の範囲は商品によって異なります。基本的には結婚式の費用だけではなく、新婚旅行までもが対象になるのがほとんどです。

また、新居を借りる費用や、それに伴う家財道具の購入までもが対象となるものもあります。この様に資金使途が限定されている事から金利は低めに設定されています。

この様に近年ではより様々なバリエーションの目的別ローンがあります。資金使途が限定されているため、その目的通りに使用されるか若しくはされたかの確認書類の提出が必要な事が多く、資金使途証明書の提出や購入先への直接購入を行い、その購入した証明書類の提出が必要になります。

従って、即日発効などはほとんどの場合はありません、しかも多目的ローンと比べても審査基準も厳しく必要書類などが多くなっています。しかしながら、資金使途を限定し審査基準を厳しくする事により、多目的カードローンと比べて金利が安くなっており、使途を限定しているため借入金額が大きくなっている事がほとんどです。

2.多目的ローン

目的別ローンに対して多目的ローンはその資金使途が決められていないのが特徴です。多目的ローンには一般的にフリーローンとカードローンがあります。

(1)フリーローン

フリーローンとは、目的別ローンと異なり資金使途が限定されていないのが特徴です。ただし、事業性資金や、投資目的の借り入れは出来ません。申込の際に使用目的の申請が必要な事もあり、場合によっては申込時もしくは融資実行後にその使用目的を証明する書類が必要な事もあります。他のローンと同様に融資には審査が必要です。

 

 (2)カードローン

カードローンは借り入れを受けるためにカードを発行してもらう必要が有る事からカードローンと呼ばれます。カードローンもフリーローンと同じく目的別ローンと異なり資金使途が限定されていないのが特徴です。また、申込時に資金使途を聞かれる事は多いですが、フリーローンの様に申込時もしくは融資実行後にその使用目的を証明する書類が必要な事はありません。

 

(3)フリーローンとカードローンの違い

フリーローンとカードローンはいずれも資金使途が限定されていない商品です。しかしながら、この両者には明確な違いがあります。

その大きな違いは借り入れ可能な回数です。まずフリーローンもカードローンもまず借入の申し込みを行った後、審査を受けます。

審査の結果、借入限度額が100万円と結果が出たとします。
それに対して60万円の借り入れを行った場合にフリーローンの場合は、以降追加で40万円の借入などは一切できません。

追加で借入を行いたい場合は再度融資の申し込みが必要となります。それに対してカードローンの場合には100万円の限度額の範囲内であれば、何度も借入を行う事が出来ます。

もっと言えば最初の60万円の借り入れは必要なく、いつでも限度額の範囲内で借入を行う事が出来るという点が異なります。

また、金利も異なります。両者の金利を比較するとフリーローンの方が金利が低いため借り入れ返済時の金利負担は少なくすみます。

 

借り入れができるかは個人信用情報がカギ

様々な商品が用意されている銀行借り入れですが、審査の際にどの商品でも共通してチェックされる項目は以下の通りになっております。

(1)個人信用情報 (2)勤務先 (3)年収 (4)勤続年数です。

(1)個人信用情報

まず、銀行から借り入れを行う際に申込をします。申込方法は、「インターネット」「郵送」「電話」「店舗」「自動契約機」など様々な方法があります。申込の際に個人情報(氏名、生年月日、電話番号、年収、勤務先など)を始め、現在の借り入れ件数や借入金額などを銀行に伝えます。

銀行はこの申込の際の情報を基に借り入れの審査を行いますが、それと同時に個人信用情報のチェックも行います。個人信用情報には簡潔にいうと銀行や消費者金融などの貸付業者との取引記録です。この取引記録は①申込時②契約時③返済時④延滞発生時⑤強制解約時⑥任意整理時⑦自己破産、個人再生時取引記録には以下の情報が登録されています。

①申込時
まずA社のカードローンを申し込んだとします。するとA社の借り入れを申し込んだという情報が信用情報として登録されます。従って、その後B社に申し込んだ際にB社はその人の信用情報を見て、現在A社に申し込んでいるという事を知る事になります。

具体的には、申込先、個人情報(氏名、生年月日、電話番号など)、申込日、商品の種類の情報が登録されています。また、その保存期間は最長で6か月間です。従って、前回申し込んでから6か月が経過すると前回申し込んだ記録はなくなっている事になります。

②契約時
審査を通過し、実際に契約を結んだ際にも個人情報が記録されます。この際に記録されるのが、契約日、契約した商品の内容、契約金額(利用限度額)、支払回数などです。

③返済時
毎月の返済時にも信用情報が記録されます。この際に記録されるのが返済日、返済予定額、残高、完済日です。

④延滞発生時
延滞を発生させた際にも信用情報として記録が残ります、この場合の延滞とは返済が3か月以上滞ることを言います。この際に記録されるのが、延滞した商品内容、延滞の解消方法、延滞発生日、延滞解消日です。

⑤強制解約時
延滞が続くと貸付業者から強制的に解約をされます。この際に記録されるのが、強制解約がされたことと強制解約に関する遅滞情報が記載されます。

⑥任意整理時
任意整理を行った際にも個人情報として記録されます。任意整理とは、裁判所などを通さずに金融機関と交渉を行い、返済金額を減らす行為を言います。この際に記録される情報としては任意整理が行われたことや任意整理に関する遅滞情報です。

⑦自己破産、個人再生時
自己破産や個人再生時にも個人情報として記録されます。自己破産とは、裁判所で申し立てを行い、裁判所から支払不能と認められることを言います。個人再生とは、裁判所に申し立てを行い、借金を減額後、3年間で完済するように返済していく事を言います。この際に記録される情報としては、自己破産や個人再生が行われたこと、自己破産や個人再生に関する遅滞情報です。

以上の情報を個人情報記録としてチェックが行われます。このうち遅延や任意整理、自己破産、個人再生など事故情報が記録されている場合には、通称ブラックと呼ばれ銀行は貸出を行いません。また、3~4件以上の借り入れがある場合には多重債務者と呼ばれ、融資が難しくなります。

(2)勤務先

勤務先も借り入れの際にチェックされる項目です。公務員と上場企業の役員が審査に通りやすいのに対して、自営業者や中小企業の役員が最も審査が通りにくいと言われています。また、審査の時に実際に会社に確認電話が入る事がほとんどです。その際は銀行名を名乗らず個人名で電話を掛けてくる事がほとんどです。

(3)年収

当たり前ですが、年収も借り入れの際にチェックされる項目です。しかしながら、年収は借り入れが出来るか否かではなく、借入金額を決める際に参考にされます。カードローンであれば、年収の半分程度が適正額と言われています。年収も源泉徴収票や確定申告書などの収入証明書の提出が求められますが、カードローンでは年収何万円以下は年収証明書の提出は不要となっている事が多いです。

(4)勤続年数

勤続年数は、現在勤めている会社に勤めている年数を言います。審査は現在の状況をベースに審査されますが、今後返済を行われていく中で今の状況が続くかどうかが重要になります。当然、勤続年数が長いほど、今後も同じ会社で勤めているだろうと思われ、収入も今後増えていくだろうという事で良いと言われています。

逆に勤続年数が短いと長い人と比べて会社を辞めてしまう可能性が高いと思われ、収入も今より低くなると見られるため、審査に不利になります。ただし、勤務先や年収とは異なり勤続年数の確認が行われない事がほとんどです。

ただし、住宅ローンなど高額なローンになると他の商品と審査基準等が異なる点があります。

(1)個人信用情報

高額なローンの場合には、通称ブラック呼ばれる人が審査を通ることは当然難しいですが、他債務や遅滞などはより厳しく見られます。1年の間に複数回の遅滞がある人や消費者金融からの融資を受けている人の診査の通過は厳しくなります。

(2)勤務先

勤務先については、他の商品と同じで公務員や上場企業の役員は審査が通りやすく、個人事業主や中小企業の役員の人は審査に通りにくいです。特に所得を低く申告を行っている個人事業主などが審査を通過するのはほぼ不可能です。

(3)年収

カードローンの借入金額の適正額は年収の半分と言われていますが、住宅ローンなどの場合には、年収の5倍以下と言われています。また、住宅ローンには返済比率という設定があります。返済比率とは、年収のうち返済金額が占める割合を言います、例えば返済比率が30%の場合には、年収500万円の人は年間の返済額を150万円以内にしないといけません。

(4)勤続年数

カードローンなどの場合には、勤続年数は確認資料を求められない事から分かるようにそこまで重要視されていません。しかしながら、住宅ローンなどの高額ローンの場合には健康保険証などから勤続年数の確認が行われます。

 

アルバイトや派遣社員、自営業でも借り入れは可能

アルバイトや派遣社員、自営業者などいわゆる正社員でない人も、借り入れは可能です。一見、正社員でない場合には借り入れが不可能と思われがちですが、ほとんどの場合は借り入れの条件は安定した収入がある方という条件になっている事がほとんどです。

安定した収入とは、月1回以上の収入のある方という事になります。従って、アルバイトや派遣社員の方もほとんどの場合は、月1回以上の収入があるでしょうから、借り入れの条件を満たす事になります。しかしながら、借り入れ金額は正社員の方と比べては少なる事がほとんどです。

やはり、年収が低い事が多い場合や、正社員と比べて雇用が途中で打ち切りになる可能性があるなどがその理由です。従って、審査自体も正社員の方より厳しく、上記の個人信用情報で延滞の記録などが確認された場合は審査の通過が難しく、借り入れ件数も多ければなかなか難しいです。

個人事業主の方も同様の理由で借り入れは可能ですが、個人事業主は特に安定性に欠けるので、審査は厳しい傾向にあります。

 

まとめ

銀行からの借り入れは消費者金融からの借り入れと比べて金利が低くなっている事が多いです。しかしながら、その分消費者金融と比べて審査が厳しくなっています。また、目的別カードローンの場合には、借り入れ可能金額が大きく設定されている事が多く、金利も安い事から上記の通り、更に審査は厳しくなっています。

従って、上記の内容を踏まえつつ、借り入れの目的に合った商品を選択する必要があります。やはり、個人向けで便利なのはカードローンとなっているのではないでしょうか。

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